吸湿発熱加工とは、人体から発する水分を利用し繊維を発熱・保温させる加工である。
人体は汗以外にも1日に約800~900mlの水分を皮膚から蒸発させており、その水分が繊維表面の親水基に吸着されると熱エネルギーに変換される。
水分を吸って熱を出すという性質は哺乳類や鳥類の体毛・羽毛がもつ特性であり、吸湿発熱加工の繊維もその原理を応用したもの。
繊維を汗で濡れたままにしておくと気化熱が発生し冷えてしまうため、吸汗速乾性など、濡れたままにしない加工も同時に施されることが多い。
(出典:成田典子(2014) テキスタイル用語辞典 テキスタイルツリー p.404 )