編み

編みとは、糸を打ち違えて布を作る技法である。編みによってつくられた布地を編物という。メリヤスとも呼ばれる。古代エジプトで編まれた靴下が最古の編み物とされているが、裏編みを行っていたり高度な技術が見られることから、更に古い時代に起源があると推察される。
織りが糸を直線的に使用するのと対称的に、編みは環を作るように曲がりくねらせる。これにより織りと比べて弾力をもち、引っ張る力にも強い。
ループの山部分(表に出る部分)をニードルループといい、谷部分(裏地になる部分)をシンカーループと呼ぶ。

経編みと緯編みに大別でき、更に経編みの中にはトリコット、コード、ラッセルの編み方が、緯編みの中には平編み(天竺編み)、リブ編み(ゴム編み)パール編みの三原組織がある。
糸の段階で染色する技法を先染め、編んだ後に染色する技法を後染めと呼ぶ。

Knitting wales slip stitch

編み物

WillowW [CC BY 3.0], via Wikimedia Commons

Stocking Frame

世界初の編み機

John Beniston at en.wikipedia [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

編み機の自動化まで

1589年にイギリスの牧師であるウィリアム・リーにより、編み機が発明された。通称ストッキングフレームと呼ばれ、靴下やストッキングを編むことができた。
リーは特許取得を望みエリザベス一世の前でデモンストレーションを行ったが、彼女は手編み産業への影響が出ることを恐れてこれを退けた。
フランス王のアンリ4世も特許取得は認めなかったものの、財政支援を行った。その結果、この機械は靴下職人らに抵抗を受けながらもヨーロッパへ広がっていった。
イギリスで起こったラッダイト運動は、この編み機を破壊したネッド・ラッドの名から取られたとされている。
1769年、サミュエル・ワイズにより編み機は手動から機械化することに成功する。編地の幅を広くしたり狭めたりする成型商品作りは相変わらず手作業だったが、アーサー・パケットによりこれも自動化することに成功した。

様々な編物、編み方

鹿の子編み

リブ編み

ジャージー

チュール

トリコット

パール編み

平編み

フリース

ボア

ラッセル

関連用語

織り

綿