キビュート(Qiviut)あるいはキヴィアック(Qiviuq、Qiviuk)とは、ジャコウウシからとれる毛またはそれを用いた織物である。ジャコウウシは2層の体毛を持っており、そのうちの内側の体毛がキビュートとなる。
Hannes Grobe), AWI [CC BY-SA 2.5], via Wikimedia Commons
春になるとこの内側の毛は抜け替わるため、羊毛やモヘアなどとは違い、毛を刈り取る必要はない。成体のジャコウウシからは1年で2~3キロのキビュートを収穫できる。市販のキビュートは狩猟されたジャコウウシの毛皮からとられているが、猟はカナダ政府により厳しくルール付けられている。
羊毛やカシミアなどの「ウール」と呼ばれるもののなかで最も柔らかいとされ、主にマフラーや帽子などに用いられる。キビュート全体の生産量はカシミアの1/3000ほどしかなく非常に高価であるが、丁寧にケアすれば20年以上使用できる。