モヘアとは、アンゴラヤギから取れた毛、もしくはそれからできる織物である。名称の由来はアラビア語の"mukhayyar"(選択)からとされる。アンゴラと呼ばれる毛または織物は、アンゴラウサギから採取したものを指す。
アンゴラヤギは元々チベットにいたとされる。16世紀にはトルコでの棲息が確認された。1匹のヤギからは1年に5~8kgのモヘアが穫れる。若い個体から採取されたものは衣類などに使われ、老いた個体から採取されたものはカーペットなどに使われる。通常年二回刈り取りが行われるが、トルコでは年一回の間隔で行っているため、繊維長の長いものが収穫される。
南アフリカが世界総生産量のうち約5割を生産しているため最大の産地だったが、2018年にアンゴラヤギへの虐待が報じられたことから、大手ファッションブランドが次々とモヘア製品の取扱停止を発表した。
耐久性が高く光沢もあるため、繊維のダイアモンドと呼ばれることがある。また断熱性も高い。