ビキューナとは、南米アンデス山脈に棲息するビクーニャからとれる毛またはそれを用いた織物である。日本ではビキューナが穫れるラクダ科の生物をビクーニャと呼び、ビクーニャから穫れる毛をビキューナと呼ぶ習わしがあるため、本項もそれに準ずる。
ビクーニャ一体から穫れるビキューナは年間500g程度しかなく、ビキューナは極めて希少である。
Alexandre Buisse (Nattfodd) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
1960年代にはビキューナの需要に応じてビクーニャの過剰な狩猟が行われたため、現在ビクーニャはペルー政府の保護プログラム下にあり、ビキューナを収穫するためのビクーニャの剪毛にもルールがある。1回あたりのビクーニャ剪毛作業(ビキューナを収穫するための)は5分で終わらせなければならず、その作業自体も各ビクーニャ個体につき2年に1度しか許されていない。ビクーニャの個体にはリングが付けられ、年ごとにどのビクーニャを剪毛すればいいかが判別できるようになっている。
(出典:https://www.dormeuil.com/jp/heritage/expertise/vicuna-fibre/)
カシミヤより繊維が細く(直径約12μm)、動物繊維ではアンゴラなどと並んで最高クラスである。ゆえに肌触りが柔らかい。