ウールとは、羊からとれる毛またはそれを用いた織物である。広義では、モヘアやカシミア、キビュートなど動物の毛もウールと総称するが、ここで言及するウールは羊毛に限る。
日本ではウールは生産されておらず、100%が輸入品である。
(出典:https://www.teikokushoin.co.jp/statistics/map/index12.html)
刈り取ったばかりのウールは油(ラノリン)などで汚れているため、繊維として利用する前に除去する必要がある。古代では除去過程に人間の尿が使われていた。公衆便所で集めた尿を羊毛加工業者へ販売することもあった。
肌触りがよく、保温性と撥水性があるため野外衣料の素材として適している。ただし人によってはチクチクとした触感がある。また他の繊維より燃えにくいため、電車や飛行機など多くの人が利用する場所の敷物などに用いられる。
名称 | 特徴 |
---|---|
メリノ種 | 高品質な羊毛が穫れる。白さと繊維の細さに優れており、中でもオーストラリアメリノは有名。 |
ロムニー種 | ニュージーランドでおおく飼育されている羊。日本のカーペットの約7割がロムニー種のものである。 |
コリデール種 | 繊維向けのメリノ種と食用のリンコルン種の交配種。毛肉兼用種で用途が広く、オセアニア以外でも南米などで広く飼育されている。 |