またベッドシーツやタオルなどを総称するリネンという語は、現代において必ずしも麻製品を意味しない。
日本国内において麻と表示できる繊維はリネン(亜麻)とラミー(苧麻)の二種のみで、それ以外は「植物繊維(○○麻)」と表示しなければならない。
亜麻の糸は伸縮性に乏しいため、千切らずに織るためには技術が必要だった。故に綿よりも珍重され、世界各地で聖職者の衣服や遺体にまつわる布として使うなど、聖性を帯びることがあった。旧約聖書では羊毛と亜麻の混紡が禁じられている。
現在ではリネンを用いた衣類はメジャーなものであるが、これは1990年代ごろからの傾向で、例えば1970年代においては全リネン製品中、衣類用途はわずか5%に過ぎなかった。
また多くの国の紙幣には強度を維持するためにリネンが混ぜられている。
通気性や吸湿・発散に優れているため夏の衣類や寝具などによく使用される。弾力性には乏しいため皺になりやすいが、その風合いがアピールポイントとなることも多い。