公定水分率とは、温度20℃湿度65%の環境における繊維内の水分率である。
糸や繊維を取引する際には重さが基準となるが、水分を含んだ糸はその分だけ重くなるため不正な重量で取引されかねない。それを避けるために繊維ごとの公定水分率を定め、正量取引を可能にしている。
大阪毎日新聞の過去記事によると、1841年にフランスのリヨンにおける生糸業者や学者の会合で絹の公定水分率を11%と定めたのがはじまりだといわれている。
(出典:神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫・大阪毎日新聞 蚕糸業(16-123))
天然繊維や再生繊維が比較的高く、合成繊維は低くなる。中でもウールは公定水分率が高い。
綿 | ウール | 麻 | 絹 | レーヨン | ナイロン | ポリエステル |
---|---|---|---|---|---|---|
8.5 | 16 | 12 | 11 | 11 | 4.5 | 0.4 |