ベルベットとは、経糸にパイル糸を使った織物である。平織りもしくは綾織りで織られる。日本ではビロードと呼ぶことがある。
絹やレーヨンなどのフィラメント糸が用いられるため、手触りが柔らかく、フォーマルウェアとしての需要がある。ベルベットは絹を用いて経糸でパイルを形成するが、綿を使って緯糸でパイルを形成するものを別珍と呼ぶ。
発祥は13世紀のイタリアとされ、日本には南蛮貿易で室町時代に渡来した。ポルトガル語でベルベットを意味する"veludo"が転訛して”ビロード”になった。織田信長や上杉謙信にも愛されたという。
(出典：成田典子(2014) テキスタイル用語辞典 テキスタイルツリー p.164-165 )